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トラウマとともに生きる

By Marie Rice

Artwork by Rachel Berson

翻訳者:Airin Ri


精神疾患の肉体的な感覚は言葉で表現するのは難しいが、アートで描くのはさらに難しい。わたしたちが経験する毎日の痛みは見えるものではなく、他の人たちには簡単に片づけられてしまうが、他の内的苦痛と同じように実在する。精神疾患を抱えている人にとって、この痛みは、スイッチを入れるだけで、厄介なものから耐えられないものへと変わる。過去にメンタルヘルスに苦労してきた人誰もが他の人から自分の困難な状況を無視される失望感を理解できるだろう。それ故、この作品を手掛けたアーティスト、レーチェル・ビルソンはこのトラウマの経験を描き出すことに集中した。



トラウマは肉体的な傷跡も残すが、私たちが常に対処しなければならないのはむしろ感情的な部分である。最初の作品は「卵の殻の上を歩く」というフレーズに合わせ、ひびの入った卵の殻を描きだす。この作品はトラウマ的出来事が起こった直後の人生を描写するという意味がある。何かトラウマ的な経験をしたばかりの人は当然のことながらもろくなる。なぜならば、彼らは自分の肌で安心を感じることも、家が安全であると感じることもできなくなったからだ。彼らの世界は彼らの周りで粉々に砕け散り、彼らだけが孤独にその破片を拾い集めるために残される。トラウマ的出来事の後、数週間すればぼんやりと手足を伸ばすことができ、ある人は二度と同じように感じることはないだろうと思うだろう。しかしその時、言葉、物体、または色でさえ、すべてを崩れ落とす。


トリガーは簡単に回避することはできない。一見とるに足りない、または誰でも知っているもののように見えるが、人々に強力な影響を及ぼす。この作品に描かれているように、トラウマのある生活は卵の殻の上を歩くようなものである。壊れやすい状態に敏感になることで混乱を避けようとすることができるが、私たちの周りに構築する殻はプレッシャーの下で割れることになる。慢性的なメンタルヘルスの問題を抱えて生きる人々にとって「すべてはあなたの頭の問題」と言われるのが一般的だ。


このことにより、自分との闘いから解放されるはずが、ほとんどの場合、受け止める側は騙されたかまたはそれ以上に悪い気持ちにさせられる。しかしながらこのフレーズはこれ以上なく正しい:精神疾患は単に頭の中のトラウマに過ぎない。心理的トラウマは目に見えないかもしれないが、他のどんなトラウマも実在するのである。精神疾患がすべてあなたの頭にある場合、関連するものとして、脳卒中、脳腫瘍、およびその他の苦痛も同様である。第2作「長期記憶」では、バーソンはトラウマとともに長期間生きることを描くことを目的としている。そのイメージは長期記憶が保持されている偏桃体と呼ばれる脳の部分に焦点を当てており、この部分は炎症で赤く表示されている。バーソンは、トラウマは一種の精神の感染症であり、簡単には治らない酷い傷として描いている。


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